今後アメリカで働きにくくなるかもしれません!

アメリカの大学に通っている留学生、在米外国人界隈では最近、

アメリカのトランプ大統領の、「OPTを廃止にし、H-1Bビザの基準を厳しくする」という提案

が話題になっています。

 

OPTとは

そもそもOPTとはOptional Practical Trainingを省略したもので、留学生が在籍するプログラムを終了した際にアメリカ国内で最長12ヶ月間の就労を合法的に許可するものです。STEM(Science, Technology, Engineering, and Mathematics)を専攻する留学生には、この12ヶ月にさらに2年間長くアメリカ国内での就労を許可するSTEM OPTというものもあります。

 

H-1Bビザについて

H-1Bビザは非移民ビザの1つで、これによって企業側は専門職の外国人労働者を雇用することができます。H-1Bビザは応募数が年間250,000〜300,000に対し、発行枠数は65,000〜85,000と狭き門となっています。このビザには発行される外国人労働者が管理職以上などという制限はないため、大学卒業したばかりの留学生にも発行することができるビザです。アメリカの大学や大学院を卒業した留学生がOPTを終了した後に取得することの多いビザもこのH-1Bビザです。

 

トランプ大統領の動向

トランプ大統領の公約の1つに「H-1Bビザの基準の厳格化」ということが含まれていました。なぜかというと、近年アメリカでは低賃金の外国人労働者にこのH-1Bビザが優先的に発行され、アメリカ人の雇用機会が奪われていると問題になっていたからです。

そして最近のコロナウイルスの流行でアメリカでは過去最低といってよいほえどの失業者が出ました。ニュースなどによって違いますが300万人ほどのアメリカ人が仕事を失ったとのことです。

「アメリカ・ファースト」をかかげるトランプ大統領としては、職を失ったアメリカ人を含めて第一にアメリカ人の雇用を増やしたい、というわけです。留学生なんか雇っている場合じゃないよ、と。

 

そしてトランプ大統領は今後H-1Bビザのホルダーを95%削減し、OPTも廃止を目指すらしいです。

H-1Bビザを発行するには、その外国人労働者の賃金を最低でも年間$150,000-$250,000にしなくてはならない。

ということになるかもしれない、とアメリカのニュースは伝えています。

これにより、企業側は多額の給料を払って外国人を雇用しなくてはならないため、外国人労働者の雇用が減るだろう、ということです。

もともとは低賃金外国人労働者をしめ出すためにH-1Bビザの基準を厳格化する予定だったものが、高スキルをもつ外国人労働者の排除にもつながってしまうかもしれません。

 

OPTが廃止され、H-1Bビザの基準が厳格化された場合

トランプ大統領によってこの提案が推し進められた場合、これらの影響があると考えられます。

 

高スキルの外国人労働者が減る

もちろん高スキルの外国人労働者は減ると考えられます。企業側は多額の給料を払って外国人を雇うことが難しくなります。よほどのスキルを持っている外国人でなければアメリカでの就職は難しくなるでしょう。今までは低い賃金でも外国人を雇うことができたものができなくなり、アメリカ人を野党企業が増えます。

 

アメリカの留学生が減る

OPTが廃止されてしまったら、大学卒業後OPTを使ってアメリカでの就職を目指していた留学生は就職が難しくなるので、アメリカ以外の国に留学することが増える、と考えられます。もしOPTで働くことができてもその後H-1Bビザが申請できなくなるかもしれない、と考えると、これもまたアメリカ留学を懸念する材料の一つになります。大学卒業後、帰国して働く予定の留学生への影響は少ないかもしれません。

 

大学の授業料の高騰化

アメリカの外国人留学生が増えるとどうなるのか。授業料の高騰化につながると考えられます。アメリカは世界で一番留学生が多い国ですが、先ほど述べた通り、今後アメリカに留学する生徒が減少すると考えられます。大学にとって留学生は多額の授業料を払ってくれるお客様、いってみればいい鴨なわけです。大学によっては4分の1が留学生なんてこともあります。たくさんのお金を落としてくれる留学生が減少すれば、大学の運営が厳しくなります。それによってただでさえアメリカ国民にとっても高額な大学の授業料がさらに高くなっていくかもしれません。そうなれば、大学に通える生徒の現象にも繋がります。アメリカの学力水準が落ちることも考えられます。

 

アメリカ衰退の始まり

アメリカの企業ではたくさんの外国人が働いています。ほとんどの外国人労働者はアメリカ人よりも高スキルをもっているからアメリカで雇用されています。有名企業のお偉いさんが外国人、なんてことも多々あります。そんな彼らを企業側が雇わなくなり、代わりに外国人ほどスキルを持っていないアメリカ人を雇うようになった場合、アメリカ企業の製品やサービスの質は間違いなく落ちるでしょう。そうなれば、アメリカ製品の売れ行きが悪くなり、アメリカの利益も減少します。そして不景気に繋がります。もしそうなってしまったら、コロナウイルスの影響とのダブルパンチでアメリカの経済が大打撃を受けてしまいます。

 

まとめ

アメリカ国民の生活を守りたいトランプ大統領の考えもわかります。しかし、外国人労働者や留学生によってアメリカの経済が成り立っていることも事実。

アメリカに留学している僕も影響を受けてしまうかもしれません。

こうなってしまわないことを願うばかりですね。

 

以上、Trinity Valley Community College(トリにてィバレーコミュニティカレッジ)卒業のTakutoでした。